わんぱく相撲全国大会 〜モンゴルチームの1日目

3年ぶりの開催となった「第37回わんぱく相撲全国大会」。今年はこれまでのように丸1日かけてではなく、10月29日と30日の土日2日間にかけて行われました。地方から来た選手たちが、2日目の午後に飛行機で家へ帰れるように、という主催者側の配慮があったようです。

11月29日の昼間、両国国技館へ向かいます。いい天気! 目の前にお相撲さんがいました。

国技館の中に入ると、前大会のわんぱく横綱の土俵入りの最中でした。四股を踏むたびに会場から「ヨイショー!」という掛け声が上がり、空気がどんどん熱くなっていくのを感じました。

さあ、出陣!

私は今回、通訳(もどき)のお手伝いでモンゴルチームに同行しました。モンゴルチームの初戦は4年生のトゥクスイレードゥイ・オーガンバヤル君(バヤンホンゴル出身)。上の写真は、入場前に花道の上から彼の指導者であるバヤンホンゴル総合生協学校のガンホヤグ先生が励ましの声をかけているところです。ちなみにトゥクス君のご両親は学校の先生をしているそうです。

目を閉じて出番を待つトゥクスイレードゥイ君。

赤いTシャツを着ているのは、わんぱく相撲の開催者である東京青年会議所の皆さん。

46試合目にシードで登場。名前が呼ばれて土俵に上がりました。

ハッケヨーイ!

のこった!

のこった!

あっ!!

持ちこたえたー! のこった!

お!

こらえる……。

粘る……!

1分間くらい経過。投げられようとしても意地で粘って踏みとどまり、押し切られようとしても体をイナバウアーのようにそり返らせて踏ん張ったトゥクス君。会場から自然と拍手がわき上がりました。

勝利!!  前日「メダルをとって帰りたい」と話していた小さなトゥクス君の日本での一戦目は、観客の心を熱くさせる試合内容でした。

試合が終わって、礼!

スポンサー企業に日能研が入っているのが、わんぱく相撲らしいですね。

トゥクスイレードゥイ君は次の試合で、残念ながら負けてしまいました。ものすごく悔しそうで、しばらく席に戻ってこなかったです。

続いて5年生の部。モンゴルからやってきた選手ではないのですが、鳥取選抜チームの中にモンゴル人のガントゥクス・ガリデ君がいました。

強かったです。実はガリデ君は、鳥取城北高校相撲部で指導しているガントゥクス・レンツェンドルジ先生の息子さんで、3試合連続で素晴らしい勝ち方をしました。

続いて、5年生のモンゴル代表チルグン・テムジン君(ウランバートル出身)。

モンゴルからチルグン君のお父さんとお母さんが、そして愛知県からお母さんの妹さんが、国技館まで応援に駆けつけました。親御さんたちが緊張しながら勝利を祈っています。勝ち進むにつれ、ご両親は居ても立ってもいられなくなり、一度離席してまた戻ってきたりと終始そわそわしていました。

のこった!

勝ちました!

続いて登場したのは、5年生のビャンババヤル・ツォグバドラフ君(バヤンホンゴル出身)。遊牧民です。実家のゲルはバヤンホンゴル県中心部から170キロメートルにあるため、普段は学校に通うために中心部に暮らす祖父母の家に住んでいるそうです。

ハッケヨーイ!

のこった! ビャンババヤル君、初戦で勝利!

次の試合で、相手選手に持ち上げられて土俵から出てしまいました。

チルグン・テムジン君は順調に勝ち進み、

翌日の準々決勝に進むことが決定!

1日目の試合を終えて、まわしを折りたたむ子どもたち。

着替えて荷物を持ち、宿泊地であるオリンピックセンターへ移動します。

1日目の試合後、選手と先生、テムジン君とハシマルガット君の親御さん、モンゴル青年会議所の皆さんで記念撮影。明日は6年生の試合と4〜6年生の準々決勝があります。

<つづく>

バヤンホンゴル県のモンゴル総合生協学校の相撲クラブの練習風景