6月23日午前3時半(日本時間4時半)、スフバートル広場に大型スクリーンが設置され、eスポーツの世界大会「BLAST tv. Austin Major 2025」決勝戦にモンゴル市民が見入りました。

「Newswire」Facebookページより

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近年モンゴルでeスポーツが熱いです。eスポーツとは「エレクトロニック・スポーツ(Electronic Sports)」の略で、PC上で行うコンピュータゲームやビデオゲームを使った競技のこと。単なる娯楽のゲームではなく競技として、世界的な大会が行われてスポーツの一種として認識されています。

「The MongolZ」Facebookページより
eスポーツは主催団体がいくつもあり、競技に使うゲームもさまざま。その中で、世界的なメジャー大会の一つが、数時間前に決勝戦を終えたばかりの「BLAST tv. Austin Major 2025」。この決勝戦に、モンゴルのThe MongolZ(本大会開催時点で世界ランキング6位)が出場していたのです。アジア初の快挙ということで、モンゴルで若者を中心に盛り上がっていたのでした。
「アジア初の快挙」の意味は、eスポーツのトップティア(Tier‑1)大会やメジャー大会において、アジア圏のチームが決勝戦に進出したのが初めてということです。今回、The MongolZが対戦した相手チームは、世界ランキング1位のフランス拠点のプロチームVITALITYでした。

「HLTV.org」Facebookページより
決勝戦は明け方でしたが、一部のモンゴル人たちは広場や遊園地の特設会場へわざわざ足を運んで応援し、あるいは自宅で観戦。試合は先に2勝した方が勝ちとなり、初戦はなんとThe MongolZが勝利! しかし次とその次はVIVALITYが勝利し、優勝トロフィーは彼らの手に渡ったのでした。

「The MongolZ」Facobookページより
惜しくもチャンピオンの座には届きませんでしたが、観客席がほぼ全員相手チームを応援するというアウェイな環境の中、ここまで健闘したことに対し、モンゴル中から「モンゴルの若者すげえ!」と称賛の声が出ています。
モンゴル人の友達が興奮して私に言うには、「14億人いる中国よりも、1億2千万人いる日本よりも、350万人しかいないモンゴルから世界トップレベルのチームが出てきたってすごいだろう!」
私が個人的に面白いと感じるのは、モンゴル人が世界舞台でメダルを獲得した競技は、かつてなら柔道や相撲などの個人競技がメインでしたが、このeスポーツは5人がチームとなって戦わなければならない団体競技であること。

「The MongolZ」Facobookページより
eスポーツは日本ではそこまでメジャーになっていませんが、世界には多くのファンがいて、昨日のような世界大会は大型アリーナ会場で開催され、会場で画面を視聴する観客は数万人単位。オンラインでは世界中から数百万人(またはそれ以上)単位が視聴します。
数学が得意な人が多く、戦闘民族の血も流れるモンゴル人にとって、eスポーツは世界に自分たちの存在感を示すことができる絶好の舞台。The MongolZのメンバーはまだ若いので、アジア初の世界チャンピオンに輝く日もそう遠くなさそうです。
決勝戦の中継動画はこちら!