ほくろは生まれ変わりのサイン

とある遊牧民のゲルを訪れたとき、面白いしきたりに出会いました。

家長はホヤガさんという50歳くらいのお父さんで、小さな孫がたくさんいました。孫はみんないい子でしたが、なぜかホヤガさんは2歳の女の子ばかりをいつも抱っこして溺愛していました。

えこひいきする様子があからさまなので理由を尋ねてみると、「この子は僕の母親の生まれ変わりだから、大切にしているんだよ」

モンゴルでは、大切な人が亡くなったとき、その体のどこかにペンで黒い点を書いてからお別れすることがあるそうです。ホヤガさんは、母親が亡くなったとき、右の手首に点を書いてお別れしました。

そしてその半年後に誕生したのがこの女の子。

女の子の右手首にほくろがあるのを見つけた瞬間、母親の生まれ変わりだと確信したそうです。「どんなにたくさん人がいる場でも、この子は必ず僕のところにやって来るんだよ」とホヤガさんは自慢げに話していました。