技能実習生ニャム君の奮闘記 vol.4 ついにモンゴルへ帰る

私がモンゴルから帰ってきた直後、ニャム君から連絡が。日本での3年間の技能実習制度の期間を終え、いよいよ数日後に帰国するというのです。ついにこの時が……!

彼から頼み事があると言われ、聞けば、「Docomoショップに一緒に行ってほしい」。携帯電話の解約手続きをしたいけれど、自分の日本語能力では自信がないそう。私たちは錦糸町のDocomoショップで落ちあい、手続きをしました。

そういえば3年前の来日後も、こうして一緒に楽天の店舗へ行き、新規契約手続きをしたのでした。あのときニャム君は、これから日本で始まる新生活と仕事にワクワクしている様子で、派手でアーティスティックな柄の帽子と服を着ていたのを思い出します(その後、キャリアを楽天からDocomoに変更したもよう)。

帰国前1週間は休暇に入り、自宅に篭っていると彼は言いました。「残りの日本滞在時間で行ってみたい場所はないの?」と尋ねると、「ない」。この3年間は主に職場と家の往復で、その合間に、日本へ遊びに来たモンゴルの友人と会ったり、私の家で皆と集まってホーショールやニースレルサラダを作ったりもしました。

今の正直な気持ちは、「3年間が無事に終わりほっとしている」。この日初めて知ったのですが、彼の手取りの給料は全て、モンゴルにいる妹へ仕送りしていたそうです。その妹は、奨学金の資格を得て、この秋からイタリアへ留学するとのこと。お兄さんが日本で稼いだお金のおかげで医学部で学べるそうです。しかし残念なのは、ニャム君が帰国する3日前に妹はイタリアへ旅立たなければならず、兄と妹は会えないまま、再び数年間離れることに。

そして今、ニャム君はモンゴルの実家に久しぶりに帰り、母親の手料理を食べ、くつろいでいます。今後どうするのかというと、モンゴルでは仕事が見つかりにくいため、来年から韓国へ出稼ぎに行きたいのだとか。韓国の方が日本よりお金が貯めやすいそうです。

何かと大変そうな3年間でしたが(彼の場合は職場よりもルームメイトに問題あり)、最後まで仕事をやり遂げて帰国しました。

これまで私が出会ったモンゴル人技能実習生たちの中には、「良い職場で働けて感謝している」と3年間の任期終了後に再び日本へ戻ってきて働くケースもあれば、モンゴルで開催された説明会で聞いた仕事内容と違うからと任期の途中で辞めるケースも……さまざまです。

手取りが低く、税金が高く、出稼ぎに来たもののお金が一向に貯められないという話をよく聞きます。日本企業に紹介する斡旋業者がかなり中抜きしているはず、と不満をもらす技能実習生も少なくありません。

<了>

技能実習生ニャム君の奮闘記 vol.1 彼はなぜ日本で働くのか?

技能実習生ニャム君の奮闘記 vol.2 人間関係に悩む

技能実習生ニャム君の奮闘記 vol.3 社員旅行へ行く