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インベストモンゴリア2017

Mongolian Economy(2017年12月発行)に掲載

 

「第5回インベストモンゴリア 2017」が11月24日に東京市ヶ谷のJICA地球ひろばで開催され、日本、モンゴル、欧米など各国から37人のスピーカーと280人の参加者が集まりました。
カンファレンンスは朝から夜まで10時間にわたり、「銀行・金融部門の法的発展の概要」など専門家による9つのプレゼンテーションと、「日モ関係の今後の展望」「経済の見通し」「鉱物資源輸出の見通しと日本の投資家への影響」「環境とインフラ」「モンゴル開発計画と日本からのモンゴル政府への提言」といったテーマのパネルディスカッションが行われました。この中で、聴衆の関心が特に強かった話題をいくつかご紹介します。

EPA
EPA発効から1年半が経過した。二国間の貿易額が前年比18%に増えたものの、モンゴルから日本への輸出が伸びていないことについては、日モ共同委員会の検討課題にも上がっているという。「EPAは放っておいてもビジネスが発展する魔法ではないので、自助努力が必要」「勉強会をもっと開いてこのチャンスを活かし、両国の成功につなげたい」といった意見がパネリストたちから出た。

景気回復
2017年第3四半期GDP成長率は5.8%で、経済は2012年以降初めて回復傾向にあるが、全体的ではなく鉱業セクターなどに限られている。主要要因は、22-21%が鉱業、12-13%が農業、そして観光セクターも貢献できる可能性を秘めている。2018年のRGDPはIMF予想が4.2%、Finchは4.5%。IMFの影響でデフォルトは回避され、短期的には前向きな兆候がみられるが、長期的にはまだわからないという見方が多かった。

アジア開発銀行モンゴル事務所所長のヨランダ氏は「未来は明るいと見ています。ただ、モンゴルでは3人に1人が貧困レベルにあるという新しいデータが出たことは深刻な問題です」と話した。

鉱業セクター
一部のパネリストは、石炭で得た資金を別の産業に投資して産業の多角化を進めるべきだと話した。多角化の例として農業、畜産業、再生エネルギーなどの分野が関心を集めていた。JICA資源開発アドバイザーの細井氏は、「鉱業を長期に発展させるためには人材育成が重要。輸出先の多様化とルート開拓も目指すべきです」と言った。

住友商事のタワントルゴイ入札はその後どうなったのか? 「新政権誕生後に再び数回の交渉が行われた後は止まっており、政府からの連絡を待つ状態」だという。

石炭輸出の中国依存については賛否が分かれた。「まず中国にしっかり売って資金を確実に得ることが、モンゴルの国益につながる」という意見があった一方で、ジャーナリストのD.ジャルガルサイハン氏は「我々は他国からお金を借りて中国までの鉄道を作ることが可能だろう。しかし中国が国境のゲートを閉じてしまったら、誰が責任をとるのか? その資金を教育・福祉・子供のIT教育分野へ回せないものだろうか」と疑問を呈した。

新空港
日本人のみならず欧米の参加者もこの問題に強い関心を寄せていた。前モンゴル大使の清水武則氏は新空港についての質問を受け、「新空港のマネジメント権を日本のコンソーシアムに付与すると、モンゴル政府は前政権のときに約束してくれた。しかしどうなるかわからない。どこがマネジメントするのかという重要な問題がいまだにはっきりしていないことに対しては遺憾に思う。モンゴル政府が約束を守ってくれると私は信じている」と語った。

新政権への要望
最後にパネリストたちが1人ずつ意見を述べた。もっとも頻繁に出てきたキーワードは「持続可能な、一貫性のある」。たとえばあるパネリストは、「政権が交代するたびに省庁の人も変わるので、専門的知識を持つ人材がいなくなってしまうのが残念に思います」と言った。

インベストモンゴリアを主催するフロンティア証券CEO井形正晃氏は、新内閣に大きな期待を寄せる。「投資家たちのクレームを直接聞いてくるために、国家開発長官バヤルサイハン氏は今回来日してくださった。毎年会議だけやっていても、何かが変わらなければ存在する意味がありません。そこで今年9月のウランバートル開催の会議で出されたプロポーザルをモンゴル政府へ提出しました。東京からのプロポーザルも来年1月に届けたいと思っています」。

最後に井形氏はこう語った。「活力が生まれるような社会になれば。民間企業が自立して成長していけるよう、後ろからサポートするモンゴル政府になってほしいです」。この話は、今回来日できなかったザンダンシャダル官房長官から井形氏が聞いたことでもあるという。

国家開発庁長官バヤルサエハン氏は「モンゴルは投資家向けのワンストップサービスを近い将来に設けます」と宣言し、人々の大きな期待を集めた。実現すれば情報が統合され、投資家がアドバイスを受けることができる。海外投資家にとって朗報である。

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