大阪にルーツを持ち、今や世界中に熱烈ファンが存在するhoneydipがモンゴルに初上陸! 2026年10月3日、ウランバートルのNARBARでライブを行ないました。
私がhoneydipを知ったのは、つい3年前。東京で暮らしていたモンゴルの若者が聴かせてくれて、一瞬で心をつかまれたのです。その曲は、コロナ禍にYouTubeを通じ、世界でひそかにブレイクしていたhoneydipの代表曲「Summer’s Gone」。10年以上前に誕生した曲でした。
実は昨年、ある音楽フェス担当者から「ライブがカッコイイ日本のバンドをフェスに呼びたい、紹介してほしい」と依頼され、私はhoneydipを推薦。ところがスケジュールが合わず実現しませんでした(依頼があったのがフェス開催の1ヶ月半前)。
しかし今年再びhonerydipにコンタクトさせていただき、ちょうどタイや香港をまわるアジアツアーが予定されていた時期と重なった幸運もあって、ついにモンゴルの首都ウランバートルでライブをしていただけることになったのです。
10月2日夜、honeydipがチンギスハーン国際空港に到着。同じ夜、私はバヤンウルギーから飛行機でウランバートルへ戻るところで、皆さんとお会いできたのは翌日昼でした。
移動して会場のNARBARでリハーサル開始。すると、こちらも世界で活躍するシンガーソングライターMagnolian(マグノリアン)が見学に来て、自身のレコードをプレゼント。honeydipのドラマーでありリーダー、曲も書いているマサトさんは、「セールスガールの考現学」を観てからMagnolianファンになったそう。互いにファンであることが発覚し、新たな交流の始まり。

左から、サポートギタリストのヨシミツさん、ベースのカジモトタカヒトさん、マグノリアン、ドラムのマサトさん、ボーカル兼ギターのシブヤジュンさん
私にとってもMagnolianはいつかお会いしてみたかった大好きなアーティスト。honeydipの皆さんと同じく感激の瞬間でした。
そして夜。ファンが続々と集まり、ライブがスタート!

©D.Zandanbat/Gamma photo agenecy
リハーサルで粘り強く音響の調整を担当してくれたふたりの若者は、このライブで前座を務めたbyeghostsのメンバー。このバンドもお客さんからの評判がよく、これから人気が上がること間違いなしです。

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ライブチケットはSOLO OUT、会場は超満員。なんとか入らせて、という問い合わせも途切れず……。

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大人気のmxrningstar(モーニングスター)やThe Lemonsのメンバーも、プライベートで観に来ていました。お客さんの年齢層はほとんどが20代前半で、honeydipがいかに音楽通の若者たちに愛されているかを目の当たりに。私が予想していたより遥かに激しい熱量でした。

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観客の想いに応え、ボーカルのシブジュンさん初っ端からフルスロットル!

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シューゲイザーという、どこかファンタジックかつノスタルジックなジャンル。モンゴルのみならずアジア各国でも北南米でもヨーロッパでも、コアなファン層がいます。
honeydipはそのシューゲイザーというジャンルにおいて、日本を代表する伝説的バンド。曲はドラムのマサトさんが主に書いています。生ライブで聴いて、1曲1曲が光輝いていることを再発見。

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オリジナルメンバーの代わりにサポートでギターを担当したヨシミツさん。巧みな演奏で会場を沸かせます。

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アンコール含め演奏終了! 終始大盛り上がりの2時間でした。

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TシャツやCDなどのグッズも完売。購入してくれたファンの皆さんにメンバー全員でサイン。
翌日はオフで、少し遠出してテレルジの草原へ。honeydipのモンゴル滞在記をマサトさんが映像にしてくださっているので、ぜひご覧ください! 私も通訳で同行しています。
こうしてhoneydipはモンゴルを後にし、先日はタイの音楽フェスにメインアクトで出演。香港でも単独ライブを行い、どちらも大盛況だったよう。11月は東京で、12月は台湾でライブが控えています。
メンバーの皆さんと同行されたマネージャーの皆さんが「モンゴル最高だった! 必ずまた戻ってきたい」と言ってくださったのが嬉しい限りです。そして、ベテランなのに誰にでも気さくに接してくださるhoneydipの皆さんの姿が深く印象に残りました。
以下は、ライブ開催前に取材してくれたモンゴルのメディアpixels記事の和訳です。
日本のシューゲイザー/ドリームポップシーンを代表するバンド「honeydip」がモンゴル初来訪
日本のバンド「honeydip」が、Busby Agencyの招聘により、初めてモンゴルを訪れた。1995年に大阪で結成された同バンドは、シューゲイザーやドリームポップを代表する存在であり、「Summer’s Gone」という楽曲で多くのリスナーの心に深く刻まれている。
20年間の活動休止を経て再結成し、再び音楽活動をスタートさせた彼らは、NarBarのステージでファンとの再会を果たした。彼らは「Before Sunrise」と題したアジアツアーを2026年10月3日にウランバートルからスタート。その後、バンコク、香港、東京、台北などを巡り、ツアーを続けている。
今回は、バンドメンバーにモンゴルを訪れた感想や、シューゲイザーという音楽の本質、そして彼らの内面世界について、短い時間ながら話を聞いた。そのインタビューをお届けする。
モンゴルを訪れてみて、いかがですか?
とても嬉しいですし、楽しく過ごしています。想像していた以上に素晴らしい場所ですね。以前は、まさかモンゴルでライブをすることになるとは思ってもいませんでした。また、現地の人々がどのような音楽を聴いているのかも、よく知りませんでした。
日本で「モンゴル」と聞くと、多くの人は朝青龍やチンギス・ハーンを思い浮かべるんですよね。私たちも、それ以外にどんなものがあるのか、あまり知りませんでした。
実は昨年、ある音楽フェスティバルへの出演の話があったのですが、そのときは残念ながらモンゴルに来ることができませんでした。それ以来、「いつかモンゴルに行ってライブをしたい」という思いを抱くようになりました。
そして1年後、ついにその夢が実現し、こうしてモンゴルでライブをするために来ることができて、本当に嬉しく思っています。
「honeydip」はどのようにして結成されたのでしょうか? また、再結成に至った経緯についても教えてください。
この話をすると、かなり長くなってしまいそうですね(笑)。バンドを結成した当時、私たちは20代の若者でした。その後、いくつかの事情があってバンドは解散することになりました。
ところが、私たちの楽曲がYouTubeにアップロードされ、ちょうど新型コロナウイルスのパンデミックの時期に、多くの人に聴いてもらえるようになったんです。それに伴って、「このバンドは今どうしているんだろう?」「なぜ活動をやめてしまったんだろう?」といった声もたくさん届くようになりました。
ただ、その時点では、私たち自身に再結成しようという考えがすぐに浮かんだわけではありませんでした。転機となったのは、2023年11月のある出来事です。それをきっかけに、もう一度バンドとして演奏したいという気持ちが芽生えました。
実はその数年前、中国映画で私たちの楽曲を使用したいというオファーをいただいていたんです。その映画の音楽に関する依頼が来たとき、メンバー同士はすでに10年以上も連絡を取り合っていませんでした。そこで、そのオファーをきっかけに「一度みんなで集まって話してみよう」ということになり、再び顔を合わせることになったんです。
長い活動休止期間中、ドラマー以外のメンバーはそれぞれ別のバンドで音楽活動を続けていました。一方、ドラマーだけは音楽から少し離れた生活を送っていました。そして2024年、改めてメンバー全員で話し合い、正式に再結成することを決めました。
モンゴルのシューゲイザーシーンについて、どのように感じていますか?
モンゴルの若い世代や音楽のトレンドについては、これまでまったく知りませんでした。なぜモンゴルでこれほどシューゲイザーというジャンルが人気なのだろう、と不思議に思っていました。音楽フェスティバルなどを通じて、多くの新しいバンドが誕生し、注目を集めるようになったんですね。
ここ数年、中国やアメリカなどでもシューゲイザーが非常に多く聴かれるようになっていると感じています。また、モンゴルの若い音楽ファンには、欧米のバンドよりも、アジア各国のシューゲイザーバンドから受ける影響の方が大きいように感じました。
メンバーが音楽以外で、いつも持ち歩いているものは何ですか?
渋谷潤(ボーカル): マスクですね。ボーカリストなので、喉をしっかり守る必要があります。そのため、いつもマスクを持ち歩いていますし、普段から着用しています。
梶本隆仁(ベース): スマートフォンですね。スマホがなくなったら、「これからどうすればいいんだろう」と思ってしまいます(笑)。
林真人(ドラム): 僕は暑い場所がとても苦手なんです。なので、いつも携帯用の冷却グッズを持ち歩いています。
粟津能光(ギター): 僕は「きな粉」をどこへ行くにも持ち歩いています。
最も影響を受けた音楽やバンドを教えてください。
渋谷潤: 1980年代の音楽ですね。特にThe CureやDavid Bowieから大きな影響を受けています。
梶本貴仁: Japanのベーシスト、Mick Karnと、Duran Duranのベーシスト、John Taylorです。僕にとって、この2人は最も大きなインスピレーションを与えてくれた存在です。
佐藤林島: 最近は新しい音楽をあまり聴いていませんね。ただ、1980年代の音楽を聴くと、自分の若い頃を思い出して、とても心が躍ります。
感情が揺さぶられるというか、エモーショナルになるんですが、もちろんポジティブな意味でですよ。
それから最近は、モンゴルのアーティストMagnolianがとても気に入っていて、よく聴いています。
粟津義光: 特定のバンドやアルバムを挙げるのは難しいですね。いろいろなジャンルの音楽を聴くのが好きなんです。音楽配信サービスでおすすめとして表示される、さまざまな音楽を聴いています。
今後の活動予定と、ファンの皆さんへのメッセージをお願いします。
今はとても気持ちが高まっていて、本当に幸せな気分です。また必ずモンゴルに戻ってきたいと思っています。
いつも私たちを応援してくださっているファンの皆さんに、心から感謝を伝えたいです。
今後の活動については、現在、新しい楽曲の制作に取り組んでいます。できれば来年、新しいアルバムをリリースしたいと考えています。
今日はお話しできて本当に嬉しかったです。ありがとうございました!
シューゲイザー(Shoegaze)は、1980年代後半から1990年代初頭にかけてイギリスで誕生した、オルタナティブ・ロックの一つの特徴的なジャンルです。
当時のギタリストたちは、ステージ上で演奏する際、観客の方を見ることなく、足元に置かれたエフェクター(Effects Pedals)を絶えず見つめながら演奏していました。
その姿を見た音楽評論家たちが、「靴を見つめる」という意味の「Shoegaze(シューゲイザー)」と名付けたことが、このジャンルの呼び名の由来となっています。



