我が家に遊びに来たモンゴルの友人に、食事を出したときのこと。そのお皿の端が欠けていたのを見た友人が驚いて、「モンゴルでは欠けた食器で食事を出したらダメなんだよ〜。日本にはそういう文化はないの?」と言いました。
そのお皿は私が大好きな作家の器なので、多少欠けても、私は捨てずに使い続けていたのです。しかし日本でも、たしかに、欠けた食器を使い続けると運気が下がるという話を聞いたことがあります。だから金継ぎという素晴らしい文化があるのかもしれません。一方で、器が身代わりになってくれて厄払いになるという話も聞いたことがあります。
その後、その友人が、モンゴル人にとって欠けた食器がNGであるワケを改めて調べ、私に教えてくれました。
モンゴルのある歴史研究家によると、匈奴など遥か昔の時代の遺跡から、わざと端を欠けさせた食器が出土するそうです。それが示す意味は、その食器を使用していた主が亡くなったときに、主が天国でもその食器を使えるよう、食器を欠けさせて一緒に埋葬したためなのだそうです。
そのため、家庭で欠けた食器を使っていると、家族の誰かが間もなく亡くなるという意味になってしまうそうです。その家庭を客人が訪れて、欠けた食器でお茶やご飯を出されたら、自分の指で欠けた部分をわざと覆い隠して、お茶を飲んだり食事したりすることもあるのだとか。
友人は、「訪問先で欠けたお皿を出されたら、食欲が失せて帰りたくなる人もいるかも。中には気にしないモンゴル人もいるかもしれないけど、そのくらい重要なんだ」と話していました。反省……!


