バヤンホンゴル県にあるモンゴル総合生協学校に初めておじゃましました。ここの相撲クラブから強いこども力士が何人も生まれていて、今年9月に開催された第63回全国高校相撲宇佐大会で個人優勝したアルタンゲレル・ソソルフー選手(鳥取城北高校3年生)の母校でもあります。
まずはツェデンソドノム校長先生に挨拶に伺いました。
ツェデンソドノム校長先生は今年4月にこの学校へ赴任してきたばかりで、それ以前はバヤンホンゴル県の他の学校で体育の先生をしていたそうです。
「この学校には6歳から18歳まで約1,000人の生徒が通っています。生徒たちは勉強もスポーツも成績優秀で、先生たちも指導熱心で素晴らしい学校です。目下の課題は、1,000人の子が学ぶには校舎が小さくなってきたことです」とのこと。
現在はバヤンホンゴル県内でトップレベルの学校になっていますが、ツェデンソドノム校長はじめ本学校の先生たちは、「これからはモンゴル国内で文武共にトップレベルの学校になれるよう、成長していきたい」と熱を込めて話していました。
続いて、校長先生の案内で校舎の隣にある体育館へ。スポーツマットを並べて、その上に土俵の絵が描かれた布を敷いて、一部の子はまわしを締めて、練習の準備をします。
練習スタート!
四股。
すり足。
股割り。
三番稽古!
左右二手に分かれて、次々と対戦していきます。順番待ちをするこどもたち。
待っている間、「早く僕もやりたい!」「次は僕!」とみんな前のめりになっていました。
布の土俵はすぐずれるので、年長組がせっせと直します。
この日集まってくれた相撲クラブのメンバーをご紹介します(実際はもっといます)。
わざわざ来てくださったドルンホンダカ君のお母さんに、息子さんが相撲クラブで頑張っていることについてお話を伺いました。
「最初は遊牧民である夫が、息子に相撲を学ばせたがったんです。それでガンホヤグ先生の相撲クラブがあるこの学校に入学しました。息子が相撲クラブで頑張っていることに対しては、夫婦で全面的に応援しています。息子も相撲クラブで学年を超えた友達ができて嬉しそうですし、ガンホヤグ先生は温かい心のある指導者なので、親子ともども感謝しています。息子はいつも、『僕はガンホヤグ先生が大好き! 先生に何かプレゼントをあげたいなあ』と話しているんですよ」
2016年ぶりに、17歳になったソミャバザル君とも再会できました。ソソルフー君と一緒にわんぱく相撲全国大会で来日したときはクニャクニャして小さかったのに、立派な青年に。
ソミャ君は数年前に別の学校へ転校し、レスリング選手として活躍中で、モンゴル国内の大会でもメダルを取っています。相撲とは今は離れていますが、どの道を選ぶにしても将来が楽しみです。
そして15歳のバスカ君。相撲クラブの最年長であり、わんぱくや白鵬杯で来日経験が4回あるので、クラブを引っ張る存在です。数年前に初めて日本へ行ったときの感想は、「スカイツリーがすごかった!」。バスカ君は相撲留学をして大相撲力士になると決意していて、現在留学先を探しています。
これまでにこの相撲クラブの生徒たちがモンゴル相撲と日本の相撲の大会で獲得したメダルやトロフィーがたくさん。
練習を終えたら、土俵も撤収。
練習のたびにモンゴルと日本の国旗を掲げているそうです。
家が遠い子はお母さんに車で迎えに来てもらいます。
まだかなあ?
来ないなあ。。。
夏休み中にもかかわらず集まってくれた先生と生徒さん、そしてご家族の皆さんありがとうございました。
10月末に日本へ行く予定のこどもたち。
この日ドルノド県の親戚のゲルにいて来られなかったもう1人の代表の子とは、後日ウランバートルで会えました。彼のお父さんは600頭の家畜がいる遊牧民で、モンゴル相撲の選手でもあるそうです。親子で強そう!