震源地に暮らすジャルガラント村の遊牧民家族
昨日の朝Facebookを見たら、モンゴル人たちが地震の話題で盛り上がっていました。9月8日未明の0時50分、トゥブ県のジャルガラント村の北東18kmでマグニチュード5の地震が起きたそうです。正確な震度情報を見つけられていませんが、おそらく震度3〜4ぐらいだったのかなと思います。
ジャルガラント村には仲良くしている遊牧民家族が住んでいるので、すぐに一家へメッセージを送りました。数十分後に返信が届き、「揺れて怖かったけれど皆大丈夫だよ〜」とのことでした。
上の写真が、その遊牧民一家です。5年前の夏の嵐の夜にゲルの中で記念撮影しました。右上にいるのがお母さん、時計回りでその下がおばあちゃん、おじいちゃん、孫3人、お父さん、私、1ヶ月前から居候しているという通りすがりのおじさん、村に暮らしている従兄弟と彼の赤ちゃん。この一家とは前日に偶然知り合っていきなり泊めてもらい、その後も連絡をとり続けています。
今回の地震は、震源地から124km離れた首都ウランバートル市内でも揺れたそうです。日本ならマグニチュード5の地震と聞いても驚きませんが、モンゴルでは大きな地震が珍しく、建物の耐震レベルが高くありません。ちょっとした地震でも壁にバリバリとヒビが入ったりして、「冗談抜きで怖い」とのことです。
モンゴルで地震が急激に増えている
国家統計局によると、昨年はモンゴルで56回の地震が記録されましたが、2021年は最初の7カ月だけで255回も記録されました。2021年は強い地震も多く、1月12日にはフブスグル県でマグニチュード6.5の地震が起きてウランバートルでも揺れがありました。今年急激に地震が増えているのです。
しかしモンゴルはユーラシアプレートの上にあり、日本のように4つものプレートがぶつかりあっている危険地帯ではありません。ただし活断層はあります。
Facebookへの書き込みの中には「地震が怖いから明日からゲルに住みたい!」という声も。格子状の木枠を組んで建てる移動式住居ゲルは、地震にも嵐にも耐えられる素晴らしい構造で、建物よりずっと安心です。東京在住の私も、地震があるたびゲル暮らしがしたくなります。
「地震が起きたとき、どうすればいいの?」という書き込みに対しては、日本留学経験のある若者が「揺れたら机などの下に隠れて頭を守りましょう」など、地震発生直後にとるべき行動を詳しく解説していました。日本での地震体験がモンゴルでも役立っているみたいです。
名古屋大学とモンゴルの非常事態庁が協力し、モンゴルの防災啓発のために日本式の「防災カルタ」を作ったという面白い話も。「洪水に気をつけて、高いところにゲル(移動式住居)を建てなさい!」「地震がおきたら草をつかみなさい」といったモンゴルならではの事情を盛りこんだ内容になっていて、原案はモンゴルの子どもたちだそうです。こういうコラボレーション、素敵ですね!