ウランバートル市内を、17歳のローヤくんとオユカちゃんと3人で歩いていたときのことです。
狭い道の真ん中に1本の柱があり、ローヤとオユカは柱の左側を、私は逆に右側を通ってよけようとしました。
するとふたりから「そっちはだめ!」と呼び止められ、私も一緒に左側を通るようにと手をひかれました。
「グループで一緒に歩いていて何か障害物をよけたいとき、誰かが別方向から行くとその人の心が落ちてしまう」とモンゴルで信じられているそうです。
都会に住む若者たちがこういうしきたりを真剣に守っていることが、とても印象に残りました。
絵本作家のボロルマーさんも幼稚園のころ、10人の友達と同じ側から柱をよけた思い出があるそうです。
1人の子が別のほうから行こうとしたら、仲間の子が急いでその子を連れ戻し、わざわざみんなで同じ側を通ったそうです。