新宿ピカデリーで、現在公開中の映画「ターコイズの空の下で」を観てきました。日本・モンゴル・フランスによる合作です。皆さんは、もうご覧になりましたか?
詳しいあらすじは省略しますが、観た後で一番印象に残ったのは、劇中で馬泥棒を演じたアムラ・バルジンヤムさんの骨太な存在感でした。モンゴル人特有の野生味に加え、品もあり、民族衣装のデールを着た草原のシーンでは生命力に溢れていました。彼はモンゴルの人気俳優で、ウランバートルとロサンゼルスで活動しているそうです。本作では出演のみならず脚本も担当していますが、モンゴル側のプロデューサーは彼の奥様のウランさんが務めていらっしゃいます。
ちなみにテーマ音楽担当のルル・ゲンスブールさんは、なんと故セルジュ・ゲンスブールさんのご子息で、パリ在住のKENTARO監督と交友があるそうです。
この映画を一言で表すなら、モンゴル草原版ロードムービー!
観ているうちに今すぐ草原へ飛んでいきたくなるような……風の音やハーブの香りが今にも届いてきそうな……モンゴル旅ならではの空気感が最高でした。
映画を通してモンゴルの魅力を知ってほしい!という、作り手の気持ちもひしひし伝わってきました。
モンゴル人同士がカッとなりケンカしてしまうところ、歌って踊りながら旅人たちが心を通わせるところ、車がすぐ故障してしまうところ、シャーマンとの出会い、第二次世界大戦後のモンゴル抑留者の存在、遊牧民のおもてなしなど、モンゴル旅でおなじみの場面が詰め込まれています。
この映画を鑑賞したモンゴルに行ったことのない友人からは、「モンゴルに日本人が抑留されていたの?」と尋ねられました。
柳楽優弥さん演じる主人公タケシの祖父は、戦後にモンゴルで抑留経験があり、その時に出会った遊牧民女性との間に子供ができます。その子供を探しにタケシが突然モンゴルへ行くことになるわけなのですが、個人的には「抑留」のエピソードが物語に含まれていたのも嬉しかったです。難しい文章よりも、映画やマンガの力はやはり大きいですよね。
コロナにも負けず無事に公開されて本当によかったです。たくさんの方々が劇場に訪れますように……!