ウランバートルの冠水と、モンゴルの表現の自由の行方

月曜日からモンゴルに来ています。ウランバートルは毎日気温10度〜20度で涼しく、雨が降ったりやんだりしています。ここ数日間の雨量は例年より多いらしく、セルべ川の周囲ではひどい冠水が起きていて、ウランバートル市長のスミヤバザル氏(元横綱朝青龍関の実兄)への批判が高まっています。

Сэлбэ голын эрэг дагуух 27 орон сууц, гарааш үерт автсан байдал

ちなみにウランバートル中心部はところどころに大きな水たまりがあるものの、冠水というまでの状況にはなっていません。

さて、冠水のニュースと同時にモンゴルで今話題になっているのが、洪水に絡めてフレルスフ大統領のコラージュ画像を制作した若者が昨晩警察に勾留されて5時間くらい取り調べを受けたという話。

モンゴルでは政治家への不満が高く、彼らを揶揄するようなコラージュがよく作られては、FacebookなどSNSでシェアされています。それ自体は珍しいことではないですが、今回初めてコラージュの制作者が警察に取り調べを受けたと発表され、人びとが驚いたり怒ったりしています。問題になっているコラージュ画像がこちら。

取り調べを受けた若者は、過去にも多くのコラージュ画像を作ってSNS上で公開していました。それらがモンゴルの人びとにウケるということは、それだけ皆が政治へ不満を持っているということ。

今回の件でゾッとするのは、モンゴルの表現の自由が今後このように厳しく監視されていくのか?という点。モンゴルは今のところ隣国ロシアや中国のような全体主義ではなく、表現の自由がある民主国です。「それなのになぜコラージュ画像を作ったら捕まるのか、モンゴルは全体主義国家になるのか?」とモンゴルの友人が憤っていました。