昨日(2022年4月7日)スフバートル広場で始まった若者たちの抗議デモが、同日深夜2時になっても白熱しています。ダンボールやプラカードに手書きのメッセージを書いて、若者たちが訴えています。
彼らが訴えている内容は、
「モンゴルでちゃんとした暮らしがしたい!」
「政府は仕事しろ!」
「政治家は嘘をつくな!」
「法律を守って」
「この国に真実はあるのか?」
「チャンスのある国になってほしい!」
「仕事がない、でも外国へ出稼ぎに行って奴隷になりたくない」
「モンゴルに産業を作ってくれ」
「この物価高騰と為替をどうにかして」
「私たちの税金をムダ使いするな!」
「幼稚園に子どもが入れないから、母親は働くことができない」
「発言の自由を認めよ」
「このデモは誰かに金で雇われてやっているのではない」
「モンゴルは民主主義の国だ」
”特定の政党とは関係のない、自然発生した平和なデモ” だそうですが、深夜になっても勢いがさめず、警察が大勢出動する事態に。広場で走り出す若者を警察が制止する場面がFacebookでライブ中継されるなど、国民的な関心を集めています。
モンゴルの著名な風刺画家は、「これはまるで、1990年に広場で若者が起こした民主革命を彷彿させるデモです。当時の若者たちによる勇気あるデモ行進が、70年間続いた社会主義時代を平和的に打倒しました。自由で公正な社会を要求する青年たちの闘争が、邪悪な者によって搾取されることのないように」とSNSで発信しました。
モンゴルの若者の多くは、政治のあり方について不満を持っています。このデモが一瞬の出来事で終わるのか、国に何らかの大きなインパクトを与えるのか、要注目ですね……。デモ参加者の中から逮捕者やケガ人が出たという情報も出ています。
また、世界各国で暮らすモンゴルの若者たちも、プラカードを手に持った写真をSNSで発信したりして、このデモを支持しているようです。
追記(2022年4月9日):
4月8日午後にオユンエルデネ首相が広場へ出てきました。若者たちからの要求を受け、来週改めて何らかの対応をするとのことです。これによってデモは落ち着いていますが(「別の地域へ広がっている」という現地在住の方の話もあり)、首相や政府の対応次第ではまた激しいデモになるかもしれません。美味しいところをみんな持っていってしまう裕福な政治家とその家族に対し、コロナ禍や不景気を耐え続けてきた人びとの堪忍袋の緒がブチ切れてしまったのですね。。。
ちなみに現地のモンゴル人たちに話を聞いたところ、一部の人が「このデモはオユンエルデネ首相サイドが仕掛けたものだというウワサがある」と話していました。
その説によると、政府の中にオユンエルデネ首相に対する賛成派と反対派がいて、あえて賛成派が今回のデモを発生させたというのです。デモの代表者が首相に要求を突きつけたことで、首相はそれに応える責任があるので、トップの座から下りられなくなるためだとか……。真相は不明です。