馬頭琴奏者のウルグンさんが演奏する音楽から想像をふくらませて、絵本作家のボロルマーさんが絵を描くというユニークなイベントに参加しました。
馬頭琴奏者のウルグンさん
ウルグンさんと絵本作家のボロルマーさん
イベント主催者のアリウナさんはブリヤートの方
2021年3月にオープンしたモリンホール屋
場所はウルグンさんのモンゴル料理店、モリンホール屋です。新宿駅と大久保駅の中間にあるこのお店は今年の3月からウルグンさんが経営を始めたばかり。それ以前は新オット屋という名前で、内モンゴル出身のご夫婦が経営なさっていました。しかしそのご夫婦が故郷の内モンゴルへ帰ることになり、奥様の馬頭琴の先生でもあるウルグンさんが店を引き受けることになったそうです。
イベント開始前、打ち合わせ中
イベント参加者の出身地は多種多様!
参加者の中には日本国、モンゴル国、内モンゴル、ブリヤート出身の人が入り混じっていたのですが、音楽と絵をきっかけに皆があっという間に仲良くなれたことに私は内心感動しました。芸術のパワーは強い!ですね。
日本に暮らすモンゴル国出身者は約1万3000人、内モンゴル出身者は約1万人と言われています(帰化した人を含めたら5万人という説も。内モンゴル出身者は中国籍であるため正確な数は不明)。
同じ「モンゴル」といっても、それぞれ別の複雑な歴史を歩んできたため、「お互いの間に壁を感じることもある」と言う人もいます。両者は言葉もキャラクターもちょっと違います。私が個人的に受ける印象だと、モンゴル国はオープンで陽気な性格の人が多く、内モンゴルはやや控えめな人が多いと感じます。
モンゴル国出身の人も内モンゴル出身の人も子どもの頃はシャガイ(羊のくるぶしの骨)で遊んだそう
メロディー(Аялгуу)
ウルグンさんが演奏した中で私が一番好きだったのは「メロディー(Аялгуу)」という曲。ボロルマーさんは彼が演奏するこの曲を聴いて、次のように感じて絵を描いたそうです。
「メロディー」からボロルマーさんがイメージした絵
「人生も、音楽のようにいろいろな音で奏でられます。しあわせでうれしいときもあれば、かなしいとき、苦しいときだってあります。人生のうれしい、かなしい、くるしいことを鳥、蜘蛛、梯子、蝶であらわしました。
でも、どのメロディーだって永遠に続くものではなくて、入れかわり立ちかわりあらわれてきますよね。この絵では、人生のたくさんのメロディーのなかで、ちょっとひと息ついてリフレッシュしているおだやかなときを描きました。すこし休んで、リフレッシュして、また前にむかって力強く歩いていくようすを春の桜で表現しました。
わたしは、日本で暮らして日本を第二のふるさとだと思っているので、わたしにとっていちばん最初に桜がうかんできたのだと思います。私はモンゴルで生まれて日本で咲いている木と思います」(ボロルマー)
美味しいモンゴル料理をいただきました
イベントの終盤にはモンゴル料理がふるまわれました。メニューはボーズ、ホーショール、ゴリヤーシ、ポテトサラダ、スーテーツァイ。
ウルグンさんの甥っ子さんとボロルマーさんの夫のガンバータルさん達がキッチンで腕をふるってくれました。モリンホール屋で提供されているゴリヤーシはガンバータルさんの味だそうです。ボーズもホーショールも日本人が食べやすい美味しい味でした!
手前がゴリヤーシとマッシュポテト、奥がボーズとホーショール
企画してくださったアリウナさん、ありがとうございました。
ウルグンさん、ボロルマーさん、ガンバータルさん、私