親族400人の祭り

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<記事の一部を掲載しています>

 夏のモンゴルに滞在中、親友のオギーに誘われて「親族の祭」に連れて行ってもらった。ウランバートルから車で3時間ほどの草原で開催されるといい、晴れた朝、待ち合わせ場所までオギーが車で迎えに来てくれた。車内には彼女の姉夫婦と姪っ子も乗っていて、それぞれ色鮮やかな民族衣装のデールでおめかししている。

 途中でスーパーマーケットに立ち寄り、ミネラルウォーターとパンとハムとビールを買いこんだ。モンゴル人は、パンにハムを挟んだだけの即席サンドイッチをかじりながらドライブするのが好きらしい。気楽な身分のわたしは後部座席で缶ビールをあけて、完全に遠足気分。

 おしゃべりしている間に目的地の草原へ到着すると、すでに数十個のゲルやテントがドーナツ状にぐるり建ててあり、正面には特設舞台があった。舞台上でマイクチェックをしていたのはオギーのお兄さん。参加者の名簿をのぞき見したら、祭に集まる親族の数は、なんと400人!

 中央の草原で何か儀式が始まった。黄色と紅色の袈裟をつけたラマ僧が、羊1頭の丸焼きのそばで煙をくゆらしている。そして一族のシンボルマークを描いた旗が、空高く掲げられた。

 いよいよ開会式がスタート。一族の長として挨拶をのべたのは、金色のデールを着たオギーのお父さん。彼はモンゴル西部のウブス県にある村の長で、人望の厚い人物だという。今回の祭は彼の呼びかけによるもので、400人もの親類が遠路はるばる集まったのは彼の人徳だろう。

 挨拶が終わると、舞台に参加者がひとりずつ上がって自己紹介をした。夫婦や親子は同じ色とデザインのデールを着ている。

 その後、音楽家たちによるクラシックコンサートの時間に。バイオリンを弾いている女性はオギーのお姉さんだという。オギーは11人兄弟の末っ子だが、モンゴルでは10人兄弟もあまり珍しくない。

 続いて、トーナメント制のモンゴル相撲大会。10代から70代までの選手が50人くらい参戦し、ピンクのピチピチパンツと水色のチョッキを全員身につけていた。さすがモンゴル人、自前のユニフォームを持っているのだなあと感心。出場しない人は、まわりに座って白熱の歓声を送る。

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⬇️全文(残り約1000文字)は月刊望星2020年3月号でご覧ください。

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